『グッバイマイセルフ』

例えるなら躊躇0の刺殺劇
見る必要性を問うて説く
数学者は一つの答えから幾つ
経過(プロセス)が出来るか競う

振動数計測
あの震えるガ(或いはグ)ラスのように
先の見えない黒髭
喜ぶのはサディスティックワールド。

惑えよ未来
憂えよ今生
そうして光を生み出せばいい
天蓋が光を消す今
何処に光あらんや

グッバイマイフレンズ
グッバイマイペアレンツ
グッバイマイシスター
グッバイマイセルフ

何処唄


歌え
天へと届け


酔ったようにふらふらと揺られ
はらはらと布をはためかせながら


子瓜、獣、虫は今何処か
私の身を喰らうのなら
骨すら残さず平らげよ


それで繋ぐのならば
命の歌よ
それで繋ぐのならば
命の在処よ


歌え
遠く響かせ歌え


音と恩を違えて
涙は雨に解かせ
論は他者に説かせ
静やかに
静やかに

『言えなくなった言葉達に』

差別という言葉を禁止したら
どれだけ気が楽になったことだろう

めくらましか
めくらがましか

だけど罪は此処にはない
六弦と四弦と鼓の銃は
ゼロワンで耳元で
今日も無罪を叫んでいる

握る指を
そのまま切り落とせたら

Summer Vacation(CU mix)


『海日和』


パンフを楽しそうに
見つめはしゃぐ子供
無理もないけど
少しは外を見たら?


行き先はパンフにはない
車で軽く三十分
さぁ
海へLet's Go!


トランクに詰め込んだ
今日の予定
後部座席で溢れかえる


後続車両は
友の家族達
同じ様子に苦笑を漏らす


照り返しの日を
肌に焼き付け
ハンドルを切って……到着!


スタンド立てて
椅子を組み立て
Let's PLAY!


飛行機が
遥か上を飛ぶけれど
遠くに行く必要は
僕等にはない


みんなが楽しめるなら
近場の海だって
「全然オッケー」


後頭部にぶつかる
破裂しそうなビーチボール
向こうにいる
アカンベーした妻の顔


思わず叩き返したら
別方向からビーチボール
今度は
ニヤニヤ笑う友の顔


水かけして遊ぶ子供達
ビーチボールは波打ち際
回収がてら
網と火の用意


浜辺で簡易BBQ
頬張った後で遊び再開
サンオイル請求は
素直にお断り


砂の上で寝転べば
埋められそうになる
分かってはいても
やってしまうもの
結果は言わずもがな


夕暮れから夜景
雲無い星空は
僕等の時を過去に戻す


寝顔の写った写真を
アルバムに張り付ける
今日もまた
よく晴れた空

ミラージュ・レジデンス


『秒刻の平行世界』


ぱらぱらと降る
鏡の断片
腕を足を狙って


映すセカイはここじゃない
気付いて手を伸ばし
強く握りしめた


砕け散った鏡は
僕の回りを飛び回り
僕の居場所を変えていく


火山吹き上げる火のセカイ
突然割れた地面に
僕は飲み込まれ


深き水中の世界
勢いに逆らいながら
必死で空の光を目指し


風強き砂の世界
目の回りを手で覆い
竜巻の中を進み


黄昏の空の世界
雲の上から広がる場所を
ただ走り続け


雲の先端から落ちた先に
いくつもの時計
歪んでも回り
逆にも回り
そして止まらない


文字越しに見えたのは
それぞれのセカイ………?


………目を醒ますと
僕の目の前にあった
一枚の絵画


『僕等の世界のトナリにある
僕等の知らないセカイ』

月雪に舞う花のように


『雪の日に』


振り返れば足跡
僕のあとをつけていく
どこまでもついていく


雪隠れの太陽は
透かした光で暖める
冷たい氷を暖かに


諸羽根
地面に描いた翼の上
寝転がったら
空の下を飛んでいる気分


起き上がって
気持ちを遠くに飛ばす
話したいな
喋りたいな
雪の中にいるみんなと


深々雪は降り注ぎ
深々雪は舞い降りて


手袋も
コートも
頬の色まで
白染めにして


白染めにしていく