CaptivAte〜浄化〜


『あの日』


あの日、僕等は
現実を知るには
まだ、あまりに幼かった


「世界の果てを探しに行こう」


あの日、僕等は
世界を知るには
まだ、あまりにも無知だった


「うん、いいよ」


あの日、僕等は
どんな所へも
一緒に行けると思っていた


なのに


「僕を置いて行かないでよ!」
掴もうと伸ばした手は
繋ぎ止めるには弱々しくて


「ごめんね………」
涙の粒はガラス玉
砕けて僕の行く手を阻む


泣き晴らした夕べ


枕を濡らした夜


花を摘み、石を立てた朝


君が僕にくれたのは
一欠片の罪と
強大な現実を照らす光


重たい体を必死で
引きずりながら
大人になったあの日