2010-10-22 『影絵・暗い指数』 詩 手影で描いた鳩が 障子の空を飛んでいく 遠ざかる影に伸ばした手は 解れた繊維を破くばかりで いつぞやの虚像を 今日までずっと抱き留めて 明日もずっと抱きしめて いつかはすっと抱き崩して そのままざっと泣き崩れて 白い窒素が揺れる胸が 安易な熱を求めてさまよう 影絵の鳩に手を伸ばす 繊維に触れてまた涙 もつれた足は無惨に切れた 細胞達が事切れた