2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

BALLAD FOR YOU〜想いの雨〜

『Wed.』 コンクリートが 斑に染まる日は 傘を差してお出掛け 家でカレンダーを捲り 喜ぶ花を撫でる それだけでは心は晴れない 人通りの少ない大通り バス停の下眺める 色とりどりの傘の花 世界に陰が差した それは不幸ではなく 幸せの予兆 待たせたねと 彼…

Narcissus At Oasis

『現実////セカイ』 風が、また騒ぎ始めた 再びどこかで 争いが始まったらしい 花弁達は呟く 飽くことの無い暴音も 既に日常と化した 世を嘆くことに疲れた妖精は 世界と自分を切り離した そして一輪の花となった 幾多の花は待つのを止めた 暴音が止む日を待…

CaptivAte〜裁き〜

『mermaid』 溢れた涙は 幾粒もの真珠となり 海へと沈む 水面に触れた場所から 徐々に融けてゆく 過去の罪のなせる業 烙印を私に捺させたのは 目の前に居た彼のせい いまはもう、どこかへ 偽って手に入れた愛は 偽りにたぶらかされ壊れ 残ったものは、もう元…

Blessing

『針が天で交わる前に』 赤、白、黄、緑 茶色い煉瓦の家から 曇り硝子を眺めると映る色 巨人の靴下を吊るして 今日は素直に眠るの 待ち人は この家にも 遠くからやって来るから 本当は 欲しいものなんて 無いかもしれないんだ 求めていたものは 時が経てば忘…

Harmony and Lovely

『決戦の日』 山の中から ビルの間から 昇りゆく朝日 自分を取り戻すdawn 風は叩く 僕の存在証明書 はためく時間は長くとも 流れる時は一瞬 日が姿を現すまでに 何が出来る? 何をしなければならない? ただ待つだけでいい 未来にしろ 過去にしろ ただ待つし…

sometime

『Voyage』 朝焼けの見えないうちから 風を待つ 凪では先に進めない 朝日と共に吹き上げる風 帽子を押さえ 一点を見据え続ける 青空の下でイルカと並走 鳴き声が告げる 近い未来の天候の変化 嵐の空 闇を打ち払うのは神 闇の中もがくのは人 ロープを握り締め…

Echoes

『明らかなる希望』 虹色の滴が 真っ黒の世界に ぽつりぽつりと落ちていく 鏡のように 空を映す水溜まり 切り取られた青空は 徐々に雲を飲み込んで 裂け目に飛び込んだ 無数の鳥が影送り 風の行く先示す十字 彩色限り無く 混ざらずに収束 拡散して降り注ぐ

Sorrow

『スライド』 指紋がつくのを気にせずに スライドの中身を確かめる ポーカーの手札のように 広げ透かし見ては溜め息 欲しいものが遠く 霞んで遠く ただ遠く 遠く サレンダーしても 次のゲームはない 探すしかない でも見つからない ガラス破片に埋まった顔 …

『Vampire』

牙を埋めて 私と貴女を 取り替えっこ 契る声は一つ 取り囲む歓喜に 心を踊らせ 開いた瞳を潤ませ 血に濡れた唇を 軽く拭っては 契り続ける貴女の 色褪せた唇に そっと触れ合う 抱き合いましょう 涙が涸れるまで 命を止めるまで 過ごしましょう 記憶が褪せる…

のんたいとる

Whitest Whitest 哀色嬰ハは均一 Direction不定は仮性インフィ Be Lovin 捕らえ刻み喰らい食らう 全て砕け散るほどに ねぇまた朱染めの腕 残感触精密半数反芻 ―――――――――――――― ――自重しなかったらR18Gになるところだった……。 思うままに書き散らした結果がこ…

ときまつり

水音を背に 絨毯を眺め 一掬い 飛蝗が遠くへ逃げていく。 追いかけもしないで 風の気配 轟音の側を 電車が遠くへ駆けていく。 光に手を伸ばす。 影に背中をつける。 眩しいのは分かるのに 暗いのは分からない。 影が入れ替わるまで 立ち尽くした草野原 円に…

秋風、蝉の声

誰もいないホーム 時を知る術もなく 曇り空は 槍の落とし場所を定めつつ 流されて 遠く来たこの地でも さして何処と変わる筈もなく 楽しみを得るには 雲に昇る必要がありそうだ 些事に囚われ 盲目となった僕の目に 何の感傷も湧く筈もない 閉じた耳世界から …

ストレイトパレット

絵の具垂らした刷毛を そのまま振り上げてみよう 浮かんで珠 落ちて円 イロナシの顔は 幾つもの色に染まる 笑顔でどこまでも 振り回して振り回して 纏まり無くて 固まり無くて バラバラで でも一つ パレットはぐちゃぐちゃで でも何かを伝えたくて ――それは…

I can fly, I've got a reason

『escape from artificial hell』 足枷、手枷 錘と繋ぐ鎖 番号入りプレート ここに人権などない 入る者にもなく 囲う者にもなし 人工的ディストピア ラファエルすら黒染めの 翼を持つだろうこの場所で 堕落に甘んじるなら 永久に囚われる だが―― 契機は掴ん…

僕の飛行機

『飛び立てない話し手は』 鉄橋の下 雲の形で 物語を描いていた 飛行機が通り過ぎると また形が変わった 一からやり直し 空の向こうの君に 物語を届けたいと 投げた紙飛行機は 目の前の川の 小さな船になって 流れていくけれど いつか届くといいな 川を遥か…

Dreams in the night

『双眼望遠鏡』 風になびく草原に 一人膝抱えながら 星の数を数えていたあの日 「ここにいたんだ」 聞き覚えのある声 見覚えのある影 知らず僕は 星を全て 同じものとして見ていた 届かないものは 関係がないものとして 切り離していたんだ 近くのものすら …