birds


『夢追いの寝ぼけ眼』


背中に羽根が生えればいいのに。
大空を飛べたらいいのに。
きっと飛び立って初めて、
地面の狭さを知るだろうから。
空の狭さが分かるだろうから。


何処にも行けないままに、
ただ風に吹かれるままに、
僕は生き続けている。
ただ生き続けている。
ただ存在を続けている。


パステル調の淡い青空の下、
リュックの絵の具を取り出して、
巨大な刷毛で淡く彩る。
そろそろカラスが鳴く頃だから。
ほんのり茜をコーティングして。


描けば何処でも行けるのか?
なら背中に羽根を描きたい。
空気の壁にドアを描きたい。
潰した靴にロケットを描きたい。
それで此処から動けるのなら。