sometime


『Voyage』


朝焼けの見えないうちから
風を待つ
凪では先に進めない


朝日と共に吹き上げる風
帽子を押さえ
一点を見据え続ける


青空の下でイルカと並走
鳴き声が告げる
近い未来の天候の変化


嵐の空
闇を打ち払うのは神
闇の中もがくのは人


ロープを握り締める
旅を終らすのは
自らの決断でだけ


時には星空を眺める
道標となる孤高の星と
付き従う女神の星を


時には歌を歌う
輝ける星と
その影にいる星へと


腕につけた羅針盤
針はただ
ある点のみを差す


いつか、そこに辿り着く日まで