『親知らず、子知らずの道』


道は幾つも広がっている
それが見えなかった僕等は
見ようとしなかった彼等に
見切りをつけたんだ


『愚か者たる我が息子は
道を踏み外し』
行く末に光なき道を
暗灯の光で歩かせ


『我に従わぬのなら
致し方ない』
他の道を切り崩して
残りの道を選ばせ


『野垂れ死ね!』
失望の怨嗟に
充ち満ちた声
冷ややかなる風


互いが互いに
背けたもの二人の道は
擦れ違わず
相反するのみ


どちらも気付かなかった
他の道を
どちらも選べなかった
他の道を


悔いて悔いぬ二人は
顔も会わせず
目の前の道を
目の前に敷いた道を


ただ、歩くのみ