Prince on a star


『オオカミ少女』


読み古された物語を
手に持ったオオカミ少女


白い夜空の下で
どこかを目指し、走る


逃げているようで
探しているようで


みんなが寝静まる頃
辿り着いた花畑の崖


頬に当たる雪が
水滴と化して
涙と見紛うほど


蛍雪で本を照らして
彼女は言葉を紡ぐ


星空のどこかにいる
誰かに聞かせるように


逢えそうな気がするから