L.A.N.


『黄金の羽根』


水の張る岩場に刺さった
一枚の羽根――


闇の中輝いた
黄金色が宿り
緑色の世界が映える


広野に立つ吟遊詩人
遠くを見据えながら
ボロ切れの下で
竪琴を奏でる


弾けた泡の
欠片に映る
セピアになる前の風景
浮かんでは消え
よぎっては消え


全てを
我に還す地響き
世界は誰かを突き放し
世界は誰かを引き込む


鳥が舞う
影と青空を牽き連れて
太陽と月の断片
黄金の羽根が全てを覆う


崩壊が始まった塔
落ちてくる硝子一つ一つ
中に、黄金の羽根


擦り切れるほどに
回り廻る時の針
羽根達は告げる


時は決して止まらない
緩みはするけれど
流れは流れのまま


湖面に咲く蓮
花びらの上に
成り立つ世界


その一つ一つに
黄金の羽根