ついでに


やっぱり長いぞ。


戦争は儲かるか?という問いは、実感が沸かないから下手なことは言えないが、というより今のアメリカの泥沼を見てると戦争行為自体は絶対儲からない、特に当事者にとっては損しかないから避けて通るべき行為だと言うことは明明白白だけれども。
『本土が巻き込まれない輸出産業』

『準備段階における軍需産業の集団的労働』
という二点に関してはそれなりに儲かっていることは、歴史が証明している。


第一時世界対戦後、アメリカはTVAやワグナー法に代表されるニューディール政策によって恐慌から立ち直ったというのが社会科で必ず教わることだが、実は違う。
実はTVAのように成功を納めた例は稀で、元来のアダムスミス的経済学から完全に抜け出せなかったアメリカ大統領フランクリン・ローズヴェルトは、大規模な公共事業を行えなかった。そのため、事業の大半は失敗に終っている。
アメリカが儲かり出したのは1939年以降、と言えば分かるだろう。WWⅡ開始後だ。戦争用の軍需品の大量輸出国となることで、アメリカは恐慌から立ち直ったのだ。
つまり、TVAその他の政策は殆んど景気対策に役に立たなかったのだ。


続いてドイツ。
有名なアウトバーンという道路はヒトラーの計画によって造られた事は知っている人も多いはず。
WWⅠ後の賠償金問題、そこからフランス・ベルギーのルール出兵、この二つによって最悪の状況にまで追い込まれたドイツ経済は、シュトレーゼマンの努力によりアメリカからの援助を受け、一時は回復軌道に乗ったと思われたが、大恐慌によってその援助が停止。再び経済が混乱した。
元からヴァイマル共和国は社会主義政党のテロによって憲法などほぼ役に立たないアナーキー国家と化していたという。この混乱のなかで、ドイツ民衆は共産党か、悪名高きナチスを支持していった。
国会議事堂放火事件の後に全権委任法を成立させ、ヒンデンブルグ大統領の死後に総統となったヒトラーは、(かねてから戦争をする気が満々であったのもあるが)不況にあえぐ民衆を救うことになる政策を実地した。
それが、大規模な軍需工業である。これによってドイツは、アメリカよりも先に恐慌から抜け出したのだ。


………まぁ要は、『大規模な公共事業』を行って職を与え、金回りを良くするor外貨で儲けるという行動が儲けることになるのは戦争だけに限らないから、その辺りで戦争じゃなくてもいいんだろうけどね……。WWは国家総力戦だから、大量の国民を動員してできる強みと、相当量の需要があっただけだとは思う。


余談。
国会議事堂放火事件の後に共産党弾圧(もはや壊滅させたと言っても良いかも)をしたヒトラーは、ソヴィエトのスターリンに向けて、スパイを送ったとの電報(手紙だったかも)を送った。ドイツ共産党の壊滅で動揺していたスターリンは疑心暗鬼を強め、側近らを次々と処刑。これが後に言う『大粛清』となった。


ふー、びっくりした。
↑ただ言ってみたかっただけ。気にしないで(笑)