Freezing Atmosphere


『雪原幻想』


氷、手に降る季節
白い息すら
暖かく感じる風が吹く


毛糸越しの声
犬達が
群れて雪を駆ける


透明、拡散して水色
積み上げ
籠る温もり、橙の灯


肩を、腕を払う
ほの雪
徐々に立ち上がる氷柱


おとぎ話の世界
"とうとう"
声も氷の粒となる


七色の天幕
光に消え
辺りには風花が舞う


天使の涙の欠片
そっと
天に還して


両手を合わせ握り
うつ向き
透る声で語る


それはまるで氷のように
それはまるで蒼風のように