Timepiece


光速を越えた先
見付けられた過去の自分は
殴りたくなるほどに
情けないもので


進むな、戻るな、立ち止まるな
どれも成り立たない号令
全て聞いて、やろうとしていた
ただやろうとしていた


捨てる事は
簡単に出来るようになって
拾うことが
いつしか出来なくなった


あの頃の視線には
あの頃の驚きには
もう戻れない


折れた長針を
くっつけるための
接着剤がないままに
時計は進む
僕等を置いて回る
いつの間に
縛られたのだろう………