edge on edge


右手の中にサバイバルナイフ
盾も持たずに刃を出して
しがらみ全てを切り捨てようと
左手をぎゅっと添えていた


何も切れやしないのに
強くなったつもりでいたんだ
生かすための刃すら
知ろうとしていなかった


「目に映るもの全て
消してしまえたら良い」
無敵の幻の中で
幾度と呟いた呪咀
一人よがりの呪咀


自らの枷すら
切り放せない
弱々しい刃を
自らの首に突き立てても
何も貫けやしないよ
そんなボロボロの刃で
何も傷付けられやしない
ただ崩れるだけ