置き去り


千切り投げたパンに群がるは子供
「お腹が空いたのなら、何故母の元へと向かわない?」
架けられた鍵、穴は腕の遥か上
音も無き空間


穴を開け貫いた戸の先
母親は空に廻る回る巡る


骨だけとなった翼で
何処へ飛ぼうとするの
片足首を掴む子供
振り払う事を貴女は出来ますか?


ただこの場所は
泣き声が満ちるだけ…………