Apocalypse〜dirge of swans〜


『嘆叫螺旋』


嘆きの中を人は進む
その背に幾多の屍を積み上げ
その背に幾多の時を止め


尽きぬ争いに人々は叫ぶ
何故戦は終らぬか
何故死地に赴くか


嘆き叫んで人は進む
嘆きを晴らすことを願い
終止符を自ら打つために


人はそして気付かぬ
積み上げた屍の数だけ
憎悪は尽きぬ事を


憎悪の断腸から漏れる虚無が
全ての争いを止めることを
醜き戦を止めることを
願うのかもしれない


人はそして気付かぬ
虚無に埋もれる諦観は
止むことなき争いの
火種にしかならぬことを


人は知らずに
十三の階段を登り
死神の鎌に自らの首を差し出す


美酒たるワインに
鉄錆は薫る