故意恋綴


手渡された宝石に
映る僕はいつも逆さま
君は僕をいつも
宝石越しに見ているけど


僕が君を見るように
君は僕を見てくれない
分かっていたことなのに
分かっていた筈なのに


感情はわりと相剋暴走
別で補い隙間を埋めて
別で削られ溝は広がり
有限無限のボーダー拡張


赤々赫の薔薇に絡めとられ
指は触れるだけで全てを傷物
ただ触れたいだけなのに
ただ側にいたいだけなのに


それでも
触れずに居られないのが
人の性
風に風吹く故意恋綴り