中立


中立という絵を描いてみた
やじろべえを
平均台に乗せてみた


通りがかりの鴉の子供
さもおかしげに呟いた
「それのどこが中立だ?」


何度書き直して
何度精密に
書き直しても


「話にならないね」
鴉の子供は
羽を残して飛び立った


白の画用紙
一枚持ち去って


「中立の絵をもらっていくよ」
空から聞こえる
鴉の鳴き声