『Angel Tears...』


空を舞う幾千の雪 青空を覆い尽した
意識失う0.01秒(コンマ)前 幽かに見えた貴女の幻
雲の上「何故ここにいる?」 苛立ちと戸惑いの中
「君は昨日付けで死んでるよ」 声が聞こえた
白いローブをはおって 羽を生やした天使が 僕の上に… 駆け出した!
手の上の羅針盤は示す 僕の行くべき場所を 僕が望んだ場所を
生えたての羽は まだぎこちないけど 気にしちゃいられない 砂時計は返されたから


見えてきた町並みの中 誰一人僕に気付かず
首にかけた砂時計は まだ半分以上残ってる
よく遊んだ公園の横 運命の輪が回り出す
僕の家の中に居たのは '僕'だった
窓の外を溜め息がちに 頬杖ついて眺めていた'僕'は 僕を見て… 逃げ出した!
手の上の羅針盤は示す 僕のあるべき場所を 僕が望んだ場所を
行き慣れた通りを 行き慣れない方に曲がって 入った場所は教会


「もう少しだけこのままでいさせて せめてあの人が天に昇るまで見送らせて…」


裏庭の小さな十字 刻まれた最愛の人
断続的におえつは漏れ 息を詰まらせた僕
砂時計「残りどれ程?」 あと十分ほどで終わりそう
色鮮やかな花束と 色を無くした'僕'の顔
「お別れは済ませましたか?」 あと五分 僕は尋ねる
頷きつつ呟く言葉 「逃げたりしてごめんなさい」
「どうしてもあの人のこと 忘れられず気が気でなくて」
人に恋した天使 巻き込まれた僕
僕等は手を繋いで 空へと飛び出した 目指す先は… 間に合うか?間に合うさ!


手の上の羅針盤は示す '僕'との別れの場所を '僕'の望んだ場所を
残る砂はそのまま 天に溶けていく あと一分… 着いた雲の上
謝罪の言葉と共に 薄れてゆく意識 貴女の幻を見た
窓の外を見れば雪 やっぱり貴女、泣いたんだね……


Angel tears...