僕の飛行機


『飛び立てない話し手は』


鉄橋の下
雲の形で
物語を描いていた


飛行機が通り過ぎると
また形が変わった
一からやり直し


空の向こうの君に
物語を届けたいと
投げた紙飛行機は


目の前の川の
小さな船になって
流れていくけれど


いつか届くといいな
川を遥か越えて
空の向こうへ