のんたいとる


星と願うならを耳にしながら、何気なく見上げた空は黒と紺。


自分の目が盲したわけじゃないから、雲隠れかな。あと周りが明るいせいか。


夜空には星が欲しい。
一等星であれ、六等星であれ。
在るだけで空が締まる。
風景として収斂する。


ただ広がるだけの空は、自分の存在すら拡散してしまいそうな気がする。
不確かだ。
剰りにも不確かだ。


存在というものは。
在ると思ったらいつのまにか消えて、消えたと思ったらずっと隣にいたりする。
別れと言う区切りを迎えた人達も、消えては側にいて、また消えて、側にいて……。
繰り返し、繰り返し。


人を星に例えるのは、有り続けることを考えた人の、ちょっとした寂しさがあるのかもしれない。