Micro fin


『感情、環状道路』


信号街の夕焼け
ハンドルを握る手を緩め
逆光に顔向け


赤くなれない光が
蝶になって左右上下
止まり木は遥か先


電話越しの催促の声すら遠のく


緩やかな振動
不快な振動
車の時は止まったままだ


やがては空に紫が混じる
信号の色を映したように


ハンドルを握り
蝶を引き裂くように
アクセルを踏みしめた


さよならの音は
エンジンの唸り