『Nameless Precious』 墓すら無き大地に 小さな小さな弔花を一束―― 恨むことほど簡単なことはない 意識を負に向かわすだけだから 哀怨の鎖に魂を縛られ 身より出ずる業火に灼かれ 両腕脚を解体(ばら)され 永遠に現に戻れなくてもと 悪魔に魂を売る者の多い…
『月明かり、山の思い出』 森 蛍火が妖精の明かりに見えた夜 腕にはランプと羅針盤 月の示すままに 光の差すままに 知らない道を歩いていく 一人 独り? 誰もいない 誰もいない? 誰も来ない? 無意識に足を早めながら 目の前の草を退けながら 通りすぎる虫…
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