夏飛行機

久々の快晴に
手を眉毛の上に置く
サンバイザー欲しくなる
憎らしい太陽(ひ)を睨む
蝉が急かす出発を
「あと五分」と遅らせて
書き上げた文字は何故か
大切なものに見えた


夕立用の傘の
取っ手だけつけ直して


南風が心地よく感じる場所へ
麦わら帽子届けに走った夏の少年
ノスタル×感傷=トランクの中
空遥か上から響く重低音