小説案その八


『'EVILKNIGHTS'』


教会がこの世の権力を握り、意に反する者を'異端'として魔女裁判にかける世界。それにかかることは、即ち'死刑'の宣告が下されることと同義であった。


しかし、それに抵抗する勢力もまた存在した。黒甲冑に身を包み、黒馬に跨り、魔女狩りを行っている教会の使徒を斬り、そしてすぐ走り去る男達。神出鬼没の彼等を、教会は畏怖と嫌悪と憎悪をこめて'EVILKNIGHTS'と呼んでいた。

'EVILKNIGHTS'のリーダー、ゼド=ヴァイオスは、元は武勲をあげた騎士の家系の長男。ところが、言われのない罪で魔女裁判にかけられ、一家惨殺、財産は全て没収された。
燃え盛る炎の中、彼は誓う。


教会を、魔女狩りを、未来永劫許すものか、と。


僧侶、ソルス=プロスヴァーは偶々訪れた村で彼等の姿を見た。民に歓迎され、崇拝される彼等の姿に、若き僧侶は思う。


教会は、今のままでいいのだろうか、と。何か間違っているのではないか、と。


物語は、ゼドとソルス、二人の視点で描かれる。憎しみと疑問と信念、それがぶつかった先に見える結末とは何か………。