小説案その七


『人知れずこそ………』



二億人に一人発症するという先天性の遺伝子病、『心読症』。文字通り人の心をそのまま読んでしまうような鋭い直感力と感応性を得る代償として、彼等は一切の聴力を、産まれながらにして失ってしまう事が運命付けられている。つまり『心読症』患者は、【他人の心の声しか聴こえない】人間なのだ。


この物語は、『心読症』の人物と、それを取り巻く人達との日常を描いた、哀しくも優しい物語。