小説案その十

『私立軽津尾根学園騒動記!』


私立軽津尾根高校………創立者が「何と無く語感がいいから」と言う滅茶苦茶な理由で名前をつけたアバウト(notリアルバウト)な学校である。
校風は至って自由かつ自己責任。その事は現生徒指導部の教官の「テメーのケツはテメーで拭けやゴルァ!」と言う台詞からも窺える。
そんな学園では今、何と言うか…………、


「うわ〜ん!あたしの制服が謎の高飛車な生物にぃ〜!(泣)」
「うわっ!魔王を呼び出しちまった!誰か送還術をっ!」
「誰だっ!人の敷地で勝手にゴーレムを乗りこなしてる奴は!」


…………とこんな感じでオカルト………と言うよりむしろ魔術が流行中。契機は自称魔術師のある男子生徒がモテているからだという、何とも適当な物であるのだが………。


そんな中、『AM9:00発暴走夢特急』『不条理の申し子』などといった非常にありがたくない二つ名を持つ奈々瀬イノは、「このままじゃおちおち(学校で)寝ていらんないじゃないのさっ!何とかしなさいよっ!」と誠に不条理な理由で叫んだ(誰に?)。そしたらその声を聞き付けた神様が、「んなもん貴様の力+α(α≪1)だけでどうにかするんだな!」とばかりに、魔力のこもった(ほとんど入っていない)タロットカードをイノに授けた。


「………ってこれじゃ止まるもんも止まらないじゃないのさっ!」


他数名の下僕「我は下僕などではない!」「私がいなきゃ…………イノは止まらないわよ」を引き連れて『訂正しろ!』、イノは今日も走る!走る!走る!


「誰かあたしを止められるものなら止めてみなさ…………ふごぉうぶはぁっ!」


「………少しは身を慎んでください、イノさん」


不条理だらけのノンストップまじかる(!?)コメディ!