最後の年賀状


外を見るに粉雪
時計は七時を過ぎ
手紙の返事がそろそろ
恋しくなるシチュエーション


友に小指を立てられ
赤面した日々はもう遠い
最後の年賀状
その先に見えるものは


あてもなくふらつく
ネオンストリート
白い吐息に
蛍光灯の光がぼやける


せわしなく鍵を
打つ音が聞こえる
何が不安なのか
今の僕にはよく分かる


飾りが解かれたモミの木の下
煉瓦の塀に座り
澄んだ夜空を眺めながら
『My Name』を唄う


微笑みながら今
僕が呼ぶその名前
今は側にはいないけど
まだ側にはいないけど


鐘が鳴り出した
全ての音が鳴り終る前に
僕は夜空に手を合わせて
そっと目を閉じた