予後の音


『十一月の終りに』


数え終えた
外の木の葉っぱ
また一枚落ちた


続かない
途切れた日記


前にいた人は
今はもういない


横にいた人も
今はもう


影だけを残して
影だけを置き去りにして


自由にならない腕で
伝えようともがくけど
どうにもならない


行き先など分からないで
通り過ぎる足音
通り過ぎた足音


あぁ
命はどうして


自分のものなのに
自分のものにならないのだろう


病院のベッドの上
ナースコールが遠のくのを
耳にしながら


悲しくなって
目を閉じた