『ジャミング』


光の粉は、歩く度に
僕の周りに舞い上がって
さらさらさらと擦れ合って
何かを伝え、何かを伝え


でも、分からないんだ


辺りを満たす、壁の削削
肌の辺りが痛むけど
これは違う、僕じゃない
他の人だよ、他の人だよ


でも、分からないんだ


保てず、保たせず
指先滲ます波状ノイズ
裂けそうな程たるむ空気に
また足をとられ………


ベクトルだらけ、目線の束
気安く話す無言の渦
人と人とプリンタの人と
何かを叫び、何かを叫び


でも、分からないんだ


意味さえ知らぬ、言葉の羅列
何故か心が痛むけど
見ては駄目、見ては駄目
他の人だよ、他の人だよ


でも、分からないんだ


掴めず、掴ませず
僕を歪ます双方ノイズ
赫赫しくて痛い氷は
また足を貫き………


綺麗はいつも汚されて
不浄は曲げて伝わって
刃をもって刃を責めて
知らぬ誰かは傷付いて


でも、気付かないんだ
でも、分からないんだ


知らせず、知らされず
眩彙、吐気を催すけれど
常に蠢く赤黒い壁は
また足を捕えて………


保てず、保たせず
体滲ます波状ノイズ
爪で腕をえぐる痛みに
喉を震わせ叫んでも


それでも、分かることはない
ずっと、乱されているから