『愚者ノ一人ハ語リ騙ル』


吊り広告は
嘲りしか見えない
全て釣りなのだろう


スポーツ紙に
金を払う価値はない
目と心が汚れるだけだ


バラエティなど
見る必要もない
軽すぎて吐気がする


誰もが自分だけで
誰かを気に留める事無く
ただ生きていく


下らない世の中で
下らないことをやって
下らなく生きていく


仮想空間にいられれば
下層空間にいられれば
それで満足なのだろう


愚者が愚者を騙し
愚者が愚者自身を騙す
嘲笑とに満ち満ちた


この素晴らしき
この美しき
―――ろくでもない世界