ボクノート


『雨降りの公園で』


公園のベンチ
大きめの傘に当たる
大粒の雨


叫んだら消えてしまいそうな言葉
距離を縮めようと伸ばす手のように
ただ懸命に動かす手で描く言葉


書いては消して
消しては書いて
もがきながら
苦しみながら
残したものは―――まだ紙屑


もどかしく思いながら
それでも僕は手を動かす
知らず動いた口
漏れてくるメロディ


雨音は僕の音に溶けていき
やがて差し込む光が示す先


僕が探していたものは
すぐ側に
目の前にあった