独白


囚われ人は
直、世に告げる
「我と変わらぬ者共よ
腕には鎖
足には鉄枷
首には首輪
胸に烙印
光奪われ闇に堕ち
まほろ探してさ迷う者よ」
絶えて久しき音達に
部屋の明かりは瞬いた
「一時でさえ得られぬが
神の救いの御手なれば
そもそも神は何たるか
求め過ぎ行く時にさえ
慈悲を与えぬ神とは何か
問う事すらもおこがましくも
問わず保つは愚かなれ」
鎖の音はしゃりしゃりと
欠片減らして擦り減らし
時から外れた
部屋の中
一人空(から)へと語りかけ