地下牢


後ろ手繋ぎ
捕え囚われる手錠
壁と手錠繋ぐ鎖は
新たなる物たる
輝きはなし
光なき世界
ヒカリナキセカイ


錆び腐り堕ちること
願うことはならない
堕ちるのは御魂の光
闇の中に霧消
その目に輝きなく
その目に意思はなく
その目に己はなく


手の肉を削いで
骨を砕き
ボロボロになった片手と
粉が詰まった片手で
透らぬ視界の中に
何処に向かうのだろう?
ドコニニゲルノダロウ?


肩の腕の傷は道標
痛みの場所に壁がある
注ぐ光に触れてはならない
あれは身を滅ぼす終末の炎
蛍火の如く仄明(ほのあかり)
残影、濃淡
取り戻す我と取り戻せぬ時


立体に時を加えた次元
点に過ぎない我は
変わり果てた世界に何を思う?
世界は変わってなどいない
世界は変わってなどいない
ただ在るままの姿を晒しただけ
後ろ手に手錠、壁には鎖