闇に月 人と酒


水面に照らしてみたい
天に映る満つる月を
その手にしてみたい


狂う時を司るなら
そのままでいいじゃないか
人が唯一正気に戻る時なのだから


微睡みの中
夢と夢を行き来していく
幸せは
辛いときから
一線を越えた状態を言うから


闇に月
姿を失って人は
己自身を知り


人に酒
枷を外して人は初めて
その壮大なる可能性を知る