2008-08-28 『星隠しの夜』 詩 蝉と鈴虫の囁きを遠くで耳にして 濃い紫色の空の下で一人時を数える 薄鉛の霧を肺に貯めながら 巡り瞼に重みを動かす 夢の旅先案内は羊と共に貘を コーヒーには砂糖とミルクを 存在には体と心を 旅には地図と切符を 目を閉じること それが旅立ちへの合図 誘うのが紫と紺の混じる空 拒むのが雲の欠片を矧いだ烏