DEPARTURE


『旅立ちに捧ぐ』


別れはいずれ訪れるもの
それを留めることなど出来やしない
自分以外は他人
自分以外の意思は別のもの
自分のものになどなりはしない


だが
けれどもし
自分を友と認めてくれるのなら――


駆け足したあの河川敷
「あの向こうに何があるのか」
解りきったことを答えた自分すら


確信が持てた訳じゃなかった
ただ行くことを恐れていただけ
子供だったから


行く先に光が照らすかどうか
確信を持つこと無く友は行く
それを人は愚かと笑うのか?
誰も笑えはしないだろう
人は皆、目隠しをされた綱渡りだ

先を見えるものなど誰もいないのだから


思うままひたすらに進み
目指す地に辿り着けるよう祈ること
例え姿は見えずとも
心の支えとしてあること
それが自分の『友』としての存在

それが自分の『友』としての願い
寂しさあまりに引き留めはしない
だが行く以上は悔いるな
それが自分が持つ望み


旅路の中で
再び道が交わるまでの
暫しの別れ


自分は思う
この別れこそが
この今の時こそが
これが旅立ちなのだと
これが真の始まりなのだと