2006-11-29から1日間の記事一覧

風吹きの洞穴で

指先のしびれは もうとれたかな? うまくマッチが掴めなくて 光は赤い球になって 辺りを照らすけど 僕の後ろはどうしても見えない 岩に擦れた風が呼ぶ おうい、ぼくは こっちだよって 穴を通った風が呼ぶ おうい、ぼくは あっちだよって 二つの風は 命を吹き…

『手帳断片〜囚人記載〜』

《さて、アーティストは誰でしょう?》 鉄檻の中で 支配下に置かれた男は 闇の中の火が映す像のように 変わりやすい偽物の心を 虚無から取り戻し 己を取り戻しに 限界を越えて走り去る 真の己を求めて 自由の地へと

Healing Vision

『渓谷』 燦々と流れる川 覆う影は鵬 橙後の青は 光の粒子となり 万物を浄化する 大地は ゆったりと激しく 脈を刻む 静寂よ 願わくば 永遠に保たれんことを 俗世の喧騒に 巻き込まれることなく 永遠に保たれんことを

MAX300

『零距離射撃』 【開始は何時でも突然に】 乾いた音 巻き上がる砂利 壁に隠れながら 互いに隙を窺う 岩陰は弾け 岩壁を弾き 土煙と硝煙は 協奏曲を奏でる 【別の気配】 当たり馴れぬ殺気 打ちながら相手の背中を見る 黒服の群れ 素人の群れ 二人に恨みを持つ…

Apocalypse〜dirge of swans〜

『そして彼女は絶望する』 傷付き傷付け 叫び叫ばれ 憤怒の炎は 喜びを焼き付くし 冷笑の風は 悲しみの霧を起こす されど誰も 止められはせず 腕に爪が食い込み 肉をえぐるまでに握り締め 焼かれた鉄で突き刺すような 痛みを心に覚えども 伝わる理由(よし)も…