2008-03-15から1日間の記事一覧

春風待ち

『タンポポ』 綿毛を幾束 飛ばしただろう 側を過ぎる草に その体を乗せるように セピア色の夕焼け 微笑んでいいよね? 君には見せられないけど まだ眠ったままだから 知らない顔ばかり 見上げた路傍で 笑うのに飽きたら 心のフィルムを回そうか 名前の知らな…

traces

『蒼い砂が満たす地にて』 爪先で砂をなぞる感触だけを 今の僕は感じている 友の名を綴った砂場は 風と共に掻き消えた 何気なく腕を伸ばして 指の腹で風景を掻き回してみる 無色の空気に引っ掛かって 身動きがとれなくなるだけ 背中で舞い上がる砂は 曲がる…