僕の飛行機


『河川敷、風待ちの夕方』


市電の通る河川敷の下で
飛んできた紙飛行機を手にとった
セピアにあせた紙の飛行機


書かれていた日付は
今よりも遥か前


書かれていた言葉は
感謝と思い出と
…………水滴の痕が一つ


………手紙を折り畳んで
紙飛行機にして飛ばした
風に乗って、誰かに届くように


日付と、
感謝と、
思い出と、
…………水滴の痕が二つ


………今日は
空を見ながら帰ろう


涙が、全てを隠すから