怨嗟の鐘


幾度となく鳴らした
怨嗟の鐘は
身を震わす度に
思い出させる
………恨みを


被害者でしかない
自分しか見えず
目に見えるもの全て
敵なんだと
………信じていた!


誰かにつくられた感情が
自分のものとして根付いていた
壊されたとき
何もなくなった自分がいるのだろう………


乾いた音、それだけが
響く広場
目を瞑れば全て
忘れられる
………死ぬから


耳塞いでいれば
何もかもが
これが幸せだと
喜んで
………信じていた!


自分の存在なんてただの
肉の器の一つに過ぎない
完全だって
思ったときに空っぽだったんだ