鳥の詩(Lia)


『風斬り羽』


風斬り羽
夕焼けに照らし透かし
飛べぬ鳥を想い
風をただ待つ


駆けた青空
放つ麦藁
繋いだ手
繋げずの手


離れた指が変化したのは
一本の風斬り羽
地に縛る禁断の契りと引き替えに
僕等はあの夏を終えた


空を想う鳥は
寒さに耐えられず
片羽で保てぬ均衡
陸の上の泡沫


風斬り羽
夕焼けに照らし透かし
ただ風を待つ
ただ風を待つ


風斬り羽
風に押され飛ぶ
夢見が丘の果てまで
鳥の願いの行き着く地まで