飴色の雪


飴色の雪がぽつり
静かに呟く夜は
僕はただ孤独に震えて


『永遠の輝き』なんてさ
『永遠に輝く』様など
誰も見られやしないのに


今を生きるため
今を切り捨てた
願いを数えて
星に放つ時も
ただ待つだけの時すら――!


彩られる時のスライドを
抜き出して眺めてはみたいけど
斑になった肌色の服が
今も僕の体を締め付け締め付ける


氷の指先をただ
撫でては食む日常に
彫像は目元を濡らして


『汚れなき白色』なんてさ
一時も保てない
飴色に染まって染まって


僕を生きるため
僕を刷り減らす
名無し星見上げ
存在に思いはせ
憩う自分は今何処――!


セピア色に変わるスライドは
あともう少し経てば捨てられる
石と化した僕の両腕は
もう決して二度は動かず動かない


仄かに甘く舌先に
残る雪はキャラメル味
どうして染まる事は
こんなにも気持良くて
気持良くて――哀しいんだろう


焼き切れてしまったスライドは
埋まりきった瞳に映らない
飴色の雪が抜け殻の僕を
ただ下へと埋めていくだけ
ただ下へと埋めて埋めるだけ