何らの苦しみにもあわずして、何人をも幸福とは『呼』ぶなかれ。


『Dawnthinker』


取り戻すのは輪郭
生の内に決して消えぬ陽に
思わず己の体を抱く
生の内に消えぬか確かめる


延びた爪に
筋が入った皮膚
其処に在るだけで人は傷付け
其処に在るだけで人は傷付き


幻惑の中
其処に何があるか分からず
恐れる車は正常だ
恐れぬ人は環外れ


清、表にも現れるが
濁、表には現れず
時に人は清を濁とし
濁を精と成し惑う


されど問えず
見渡せば惑うものばかり
ならばと従うのなら
連鎖的な自己崩壊


疑いつつ構成
傷つけられるのなら
その傷口から読み取れ
相手を――己を


切り開くためには
傷付けなければならない
そのための体だ
そのためにある体だ


陽が夜闇を切り開くように
風が濃雲を切り開くように
針が明日を切り開くように
人は己を切り開いていける