デジャヴュ


旧車両の座席に
腰掛けながら肘を付き
移ろいゆく変わらぬ景色に
思わず溜め息を漏らす


僕らはどれだけ変わっていくのか
立ち止まって振り返っても
昔の姿は見えやしなくて


あの頃の自分は
何を考えてきた?
求め伸ばした手


何度、振り払われたことか


変わっていく時に
僕らは剰りに無力だ
いつか戻るその時まで
先の見えない世界を


メビウスの輪にも似た
巡り行く
先を知らない世界を


知らずに戻ったとして
気付くことはなくて
でもどこか懐かしくて
既視感