ときまつり


水音を背に
絨毯を眺め
一掬い
飛蝗が遠くへ逃げていく。


追いかけもしないで
風の気配
轟音の側を
電車が遠くへ駆けていく。


光に手を伸ばす。
影に背中をつける。
眩しいのは分かるのに
暗いのは分からない。


影が入れ替わるまで
立ち尽くした草野原
円に浮かべた針が
折れることを望んでいたのにね。


遠景に憩いを込めて。
狭く積めた情報を
近づいて解き放て。
近づいて解き放て。