先見噺


涙色
鈍色のビィドロが
幾つも吊り下がり
内に秘めた炎は
燃え尽きてしまったのか


温もりを持つ僕の手では
感じることが出来ないほどに
暗く深く無温


余りに余りに
余りに余りに脆く見えたから
思わず火をつけてみた
割れ爆ぜるとは知らずに
先見えず先見ず
水晶の瞳で
何も映さない水晶の瞳で
映るものを当てにして