2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

センター前ですから

『1/14』 過信を打ち砕かれ 臆病になりがち 風の吹く先も分からぬまま 安心の地など この場には無いのだろう 尽きぬ恐怖は尽きないままに ―――あの時は 恐怖を知るには まだ僕は幼すぎたんだ――― 絶たれた連絡 通わぬ視線 相対的孤独の中知る 決戦の時は、近い

『旅人キーナの話』

やあ。 話を聞きに来てくれたんだね。 さて、何の話を聞きたいんだい? 旅の途中に、どんな人に遇ったか? 了解。それじゃあ今日は、僕が旅していたときに、実際に遇った人の話をしよう。 そう、あれは確か、遥か大昔に大厄災があったっていうマエソフリ荒野…

どこか、その1の1

『行方不明な街』 蒼い空。 えぇ、蒼い空。 雲一つ無い。これを快晴と言わずして何を快晴の定義と為すのかと言いたくなるほどの、真夏の蒼い空。 天を支配する太陽が邪魔者を押し退けて優越感に浸っているその下で、どれだけの生物がその恩恵を意識無意識の…

『望マレヌ人形ハ騙ル』

ねぇ、神様 おかしいのでしょう? 望まれぬ人形は 望まれぬまま生き続け 望まれた人形は 望まれたが故に 命を落としていく 視線は死神の鎌 掌は腐食の根元 言葉は悪魔の誘い文句 持ち上げる高みはそのまま 地に落ちたときの痛みを表す 気付いても何も出来な…

Narcissus At Oasis

『四次元の桃源』 花弁 歩く度に 足を踏む毎に 舞う 腕を 手を 指先を 回ってみる スカートがふわり 花弁を押し上げて 光差し溢れる花園 私の他に誰もいない 私と花の他に何もない 風が鳥を飛ばし 私に言ったんだ もうすぐ皆が やって来るって 嬉しさのあま…

緑の風

『Decades』 十歳 友達と一緒に石を 鳥居に向けて投げて遊んだ 二十歳 成人になったと 確信するために鳥居をくぐった 三十歳 結ばれて五年経った後 また来ようと言った妻を待った 四十歳 子供達が遊ぶ 保護者として来て、気付けば一緒に遊んでた 五十歳 桜舞…

『雪の妖精』

耳元で囁き声 「このくらいぃ?」 『もうちょっとぉ』 《きゃっははっ!》 悪戯好きの妖精達の 《ねぇっ!もっとぉ!》 「あっ!ず〜る〜い〜!」 『ちょっとぉ!あたしの分もぉ!』 騒がしい秘密会議 「ひ〜!」 『うぃ〜!』 《ご〜!》 今日もまた積もり…

2B myself

敷かれたレールを 蹴り外した僕は 偽りに見えていた 現実に気付けたんだ 偽っていたのは僕の方 斜に眺めた 球形の上は 確かに汚れては いるけれどそれだけじゃない 綺麗なものもあるじゃないか 電車の中 囚われ人は僕を見て 『愚か者』そう嘲うだろう それが…

アフォリズム 30の御題

管理人解答例

アフォリズム 30の御題

随分前に影華さんに提供したもの。

Harmony and Lovely

『夜明け』 四方の闇に背を向け 向く目は内面 足を動かさなくても 逃げ出すことはできる 新月は何も映すことなく 密やかに上がり 密やかに沈む 全ての光を吸い込みながら 街灯が消えたとき 道など何処にも無いと知る ただあるのは闇と 確証のない僕だけ ヘッ…

のんたいとる

――――おはよう、今日の僕――――