音ゲー詩

waxing and wanding

『月光舞、華添え』 現世の陰を映す 月―― 静かなる世にて 静寂を守るも 騒躁たる場にて 静寂はなし なればこそ神は 身を天に踊らす その美しき躰を 月光に煌めかせ 豊穣を祈りながら 身を晒す際 太鼓の音と共に 空に華が咲く 幾輪も咲き 咲いては散る 祭りに…

DEPARTURE

『旅立ちに捧ぐ』 別れはいずれ訪れるもの それを留めることなど出来やしない 自分以外は他人 自分以外の意思は別のもの 自分のものになどなりはしない だが けれどもし 自分を友と認めてくれるのなら―― 駆け足したあの河川敷 「あの向こうに何があるのか」 …

KOUYOU

『竜田』 遠くで 鹿が哭く 京の 幽幻の間 主に染めし 筆 描くは紅葉 墨色の川岸 波立つ間に ひらり ひらり 風音 撃ち落とす 無数の朱 水面に 織り成す 竜田の錦 揺れ沈み浮く錦

LOVE D RIVE

『アルバムの行方』 波打ち際 想い出のアルバムを 改めて見直す キャプションの文字を目で追って 時の流れを改めて知る あの頃と同じ笑顔は もう見せられないことも 思いが交わらないことはない 永遠を信じたあの日 それを裏切ったあの日 そして一人は一人に…

one seek

『male/female』 君はどこ? 何も見えない 声も聞こえない 手足の感覚すら朧気な場所で 重たい空気を掻きながら進む あなたはどこ? 何もない 風音と心音だけが響く どこまでも行けそうな場所で 只一人立ち尽くす 運命と言うものが もしもこの世に在るのなら…

Psyche planet-?

『Re:starlight』 目まぐるしく変化する 数字とアルファベットの塊 一つ一つ解きほぐしてリコネクト 流星の欠片が 傷つけ壊す繋ぎ目を 労り直し繕いリペア 一つ、一つ 直し繕う程に 一つ、一つ 解きほぐす程に 電子の宇宙(そら)に光が灯る 赤・青・黄 灯り消…

月雪に舞う花のように

『borderの上と下』 空に溶ける蒼き鳥は 地に染まる白き兎と 目を交し 白み逝く宙に 身を踊らせ飛ぶ 有刺鉄線が匿う森 彼の者の領域と 知った蒼き鳥は 側に広がる 悠久の白幻に 啼く

LOVE D RIVE

『田舎/傷心』 小鳥の囀り 葉擦れの合唱 潮騒は森の中 夕日を眺める僕を囲う 指折り数えながら 過去と未来を想う 土の香りを 肌に染み付かせながら 木に何度も謝りながら 刻み付けた相合い傘 木に何度も謝りながら 刻んで消していく 闇が天に降り立つ前に 家…

Ubertreffen

『last battle 4 da future』 手中の聖剣は 気の流れを受け 震える 白銀の鎧すら その場で全て 破れてしまいそうな空気 相対するは 素顔を面にて 隠した黒装の宿敵(とも) 赤黒い邪剣は 聖剣同様に 震え続ける 幾度打ち据え 幾度刃が欠けたのだろう 手の感覚…

E-TEN-RAKU

『能舞』 閉じられた空間 暖かさも 冷たさもない 耳で感じる 風の揺らぎ 乱れが徐々に収まっていく 瞳には何も映さない 光は必要ない ただ、心に景色を描くのみ 静止 足で踏む木の景 木目を直に感じ 扇の揺れが止まる この場は今 私の体と一つになった さぁ …

華蝶風雪

『をどり。』 桜、境界 吹き上がる風に 幕 荒波砕き 地を打つ益荒男との 交錯 浮く血潮の跡 優しく撫でるは 十重二十重の織 扇うち鳴らし 手蝶、風に戯れを求め 光源は満つ月 霜に濡れる岩を 名残雪駄で擦り踏み 耳に残るは地の太鼓 サァ舞わん いざ舞わん

Zenius-Ⅰ-vanisher

『目的地は遠く』 白銀の大地 同化し足を顧みず 天に手を伸ばす 二次のカーテンの向こう 命の軌跡を目指す 手に触れようと 腕に再び力を入れる この場所からは 届く筈はないと 理解はしていた 奇跡を願う限り 願いは叶わないと 進むしかない 腕の先より遥か …

BALLAD FOR YOU〜想いの雨〜

『Wed.』 コンクリートが 斑に染まる日は 傘を差してお出掛け 家でカレンダーを捲り 喜ぶ花を撫でる それだけでは心は晴れない 人通りの少ない大通り バス停の下眺める 色とりどりの傘の花 世界に陰が差した それは不幸ではなく 幸せの予兆 待たせたねと 彼…

Narcissus At Oasis

『現実////セカイ』 風が、また騒ぎ始めた 再びどこかで 争いが始まったらしい 花弁達は呟く 飽くことの無い暴音も 既に日常と化した 世を嘆くことに疲れた妖精は 世界と自分を切り離した そして一輪の花となった 幾多の花は待つのを止めた 暴音が止む日を待…

CaptivAte〜裁き〜

『mermaid』 溢れた涙は 幾粒もの真珠となり 海へと沈む 水面に触れた場所から 徐々に融けてゆく 過去の罪のなせる業 烙印を私に捺させたのは 目の前に居た彼のせい いまはもう、どこかへ 偽って手に入れた愛は 偽りにたぶらかされ壊れ 残ったものは、もう元…

Blessing

『針が天で交わる前に』 赤、白、黄、緑 茶色い煉瓦の家から 曇り硝子を眺めると映る色 巨人の靴下を吊るして 今日は素直に眠るの 待ち人は この家にも 遠くからやって来るから 本当は 欲しいものなんて 無いかもしれないんだ 求めていたものは 時が経てば忘…

Harmony and Lovely

『決戦の日』 山の中から ビルの間から 昇りゆく朝日 自分を取り戻すdawn 風は叩く 僕の存在証明書 はためく時間は長くとも 流れる時は一瞬 日が姿を現すまでに 何が出来る? 何をしなければならない? ただ待つだけでいい 未来にしろ 過去にしろ ただ待つし…

sometime

『Voyage』 朝焼けの見えないうちから 風を待つ 凪では先に進めない 朝日と共に吹き上げる風 帽子を押さえ 一点を見据え続ける 青空の下でイルカと並走 鳴き声が告げる 近い未来の天候の変化 嵐の空 闇を打ち払うのは神 闇の中もがくのは人 ロープを握り締め…

Echoes

『明らかなる希望』 虹色の滴が 真っ黒の世界に ぽつりぽつりと落ちていく 鏡のように 空を映す水溜まり 切り取られた青空は 徐々に雲を飲み込んで 裂け目に飛び込んだ 無数の鳥が影送り 風の行く先示す十字 彩色限り無く 混ざらずに収束 拡散して降り注ぐ

Sorrow

『スライド』 指紋がつくのを気にせずに スライドの中身を確かめる ポーカーの手札のように 広げ透かし見ては溜め息 欲しいものが遠く 霞んで遠く ただ遠く 遠く サレンダーしても 次のゲームはない 探すしかない でも見つからない ガラス破片に埋まった顔 …

I can fly, I've got a reason

『escape from artificial hell』 足枷、手枷 錘と繋ぐ鎖 番号入りプレート ここに人権などない 入る者にもなく 囲う者にもなし 人工的ディストピア ラファエルすら黒染めの 翼を持つだろうこの場所で 堕落に甘んじるなら 永久に囚われる だが―― 契機は掴ん…

僕の飛行機

『飛び立てない話し手は』 鉄橋の下 雲の形で 物語を描いていた 飛行機が通り過ぎると また形が変わった 一からやり直し 空の向こうの君に 物語を届けたいと 投げた紙飛行機は 目の前の川の 小さな船になって 流れていくけれど いつか届くといいな 川を遥か…

Dreams in the night

『双眼望遠鏡』 風になびく草原に 一人膝抱えながら 星の数を数えていたあの日 「ここにいたんだ」 聞き覚えのある声 見覚えのある影 知らず僕は 星を全て 同じものとして見ていた 届かないものは 関係がないものとして 切り離していたんだ 近くのものすら …

Sorrows

『Away in AM2:00』 閉めきれない蛇口から滴る 水の音で目を醒ました 波紋はどこまでも広がるばかり そして戻ることはない 鎮まったとき その場所には何もないから 誰も聞かない時を告げる 鐘が重々しく鳴る 静まった町に響く 歪さを重ねたレゾナンス 底を覗…

Sorrows

『痕跡| 』 硝子の薔薇の花弁が ひらり ぴとり ぴしり 澄んだ音を立てて割れていく 水に浸した私の手は 周りが赤く染まるばかり 痛みすら 冷たさすら 感じることを忘れさせるほどに 叫び 春の庭 色で満ちたその場所で 私は二人で居たんだ 隣には彼……? 彼の…

2.14.13

『Siosai』 反復。 1/f。 Restructing Vision。 反復。 1/f。 Restructing Vision。 波紋に指を這わせて。 波紋に指を這わせて。

猿の経

『民に告ぐ』 民よ! 貴公らは気付いているか! 我々の同胞(はらから)は 取るに足らぬ事からいがみ合い 俗世の虚光の犬と化し 軽薄たる極彩色に身を包み 黒き肉塊に変じている事を! 民よ! 貴公らは覚えているか! 我々の父母の生きし時代は 燃え盛る陽(ひ)…

CaptivAte〜浄化〜

『草原の夜明け』 星々はいつの間にか消えてしまった 薄れゆく闇 土に汚れた手で 瞼を擦りながら 幾度と蘇る 天の支配者の気を受け 傷だらけの足で 今日も立ち上がる さぁ、出発だ

赤い鈴

『戰』 赫は俗悪 全てを裂いて離して散らし 溜る 無知は暴力 保てぬ足場は崩れ 結ぶ首 迷走する崇拝 暗闇の中で失う 輪郭線 畢竟的結末 明に出て人は 失いし物の巨きさを知る 嘗て得た物は 得る事を望む物は 凡て 凡て灰の中へ

traces

『蒼い砂が満たす地にて』 爪先で砂をなぞる感触だけを 今の僕は感じている 友の名を綴った砂場は 風と共に掻き消えた 何気なく腕を伸ばして 指の腹で風景を掻き回してみる 無色の空気に引っ掛かって 身動きがとれなくなるだけ 背中で舞い上がる砂は 曲がる…