2008-01-01から1年間の記事一覧

Sorrow

『スライド』 指紋がつくのを気にせずに スライドの中身を確かめる ポーカーの手札のように 広げ透かし見ては溜め息 欲しいものが遠く 霞んで遠く ただ遠く 遠く サレンダーしても 次のゲームはない 探すしかない でも見つからない ガラス破片に埋まった顔 …

『Vampire』

牙を埋めて 私と貴女を 取り替えっこ 契る声は一つ 取り囲む歓喜に 心を踊らせ 開いた瞳を潤ませ 血に濡れた唇を 軽く拭っては 契り続ける貴女の 色褪せた唇に そっと触れ合う 抱き合いましょう 涙が涸れるまで 命を止めるまで 過ごしましょう 記憶が褪せる…

のんたいとる

Whitest Whitest 哀色嬰ハは均一 Direction不定は仮性インフィ Be Lovin 捕らえ刻み喰らい食らう 全て砕け散るほどに ねぇまた朱染めの腕 残感触精密半数反芻 ―――――――――――――― ――自重しなかったらR18Gになるところだった……。 思うままに書き散らした結果がこ…

ときまつり

水音を背に 絨毯を眺め 一掬い 飛蝗が遠くへ逃げていく。 追いかけもしないで 風の気配 轟音の側を 電車が遠くへ駆けていく。 光に手を伸ばす。 影に背中をつける。 眩しいのは分かるのに 暗いのは分からない。 影が入れ替わるまで 立ち尽くした草野原 円に…

秋風、蝉の声

誰もいないホーム 時を知る術もなく 曇り空は 槍の落とし場所を定めつつ 流されて 遠く来たこの地でも さして何処と変わる筈もなく 楽しみを得るには 雲に昇る必要がありそうだ 些事に囚われ 盲目となった僕の目に 何の感傷も湧く筈もない 閉じた耳世界から …

ストレイトパレット

絵の具垂らした刷毛を そのまま振り上げてみよう 浮かんで珠 落ちて円 イロナシの顔は 幾つもの色に染まる 笑顔でどこまでも 振り回して振り回して 纏まり無くて 固まり無くて バラバラで でも一つ パレットはぐちゃぐちゃで でも何かを伝えたくて ――それは…

I can fly, I've got a reason

『escape from artificial hell』 足枷、手枷 錘と繋ぐ鎖 番号入りプレート ここに人権などない 入る者にもなく 囲う者にもなし 人工的ディストピア ラファエルすら黒染めの 翼を持つだろうこの場所で 堕落に甘んじるなら 永久に囚われる だが―― 契機は掴ん…

僕の飛行機

『飛び立てない話し手は』 鉄橋の下 雲の形で 物語を描いていた 飛行機が通り過ぎると また形が変わった 一からやり直し 空の向こうの君に 物語を届けたいと 投げた紙飛行機は 目の前の川の 小さな船になって 流れていくけれど いつか届くといいな 川を遥か…

Dreams in the night

『双眼望遠鏡』 風になびく草原に 一人膝抱えながら 星の数を数えていたあの日 「ここにいたんだ」 聞き覚えのある声 見覚えのある影 知らず僕は 星を全て 同じものとして見ていた 届かないものは 関係がないものとして 切り離していたんだ 近くのものすら …

『星隠しの夜』

蝉と鈴虫の囁きを遠くで耳にして 濃い紫色の空の下で一人時を数える 薄鉛の霧を肺に貯めながら 巡り瞼に重みを動かす 夢の旅先案内は羊と共に貘を コーヒーには砂糖とミルクを 存在には体と心を 旅には地図と切符を 目を閉じること それが旅立ちへの合図 誘…

のんたいとる

夢のままで生きたいから 常世の糸で僕を縛って 腕の欠片を枕元 リアルに忘れた捧げ物 リアルで忘れた貢ぎ物 血の代わりに何が巡れば この器は満たされるのか いっそ初めから何も無くして 初期化されるのが幸せなのかも 何もないのが幸せなのかも

ちぎり

「旅立つ時に必要ない物は 残らず捨ててしまえばいい」 そうして君は旅を捨てた その両足を切り捨てて 外した鎖の跡が痛む 仄かに赤くそして薄暗く 痣は僕を見つめてる 闇の中でも見つめてる 千切られた腕 足の代わりに このままずっと離さないと 指の先 押…

翼持つ隣人に捧げる

雲の狭間を 翼持つ隣人が 咳き込みながら飛ぶ姿 思わず目を伏せた 涙が出た 謝りたかった ごめんなさいごめんなさい 血で汚れが消えるのなら 灰で清められるのなら 胸元から溢れ出すそれを 上昇気流に乗せてばら蒔いて 残った僕の亡骸を そのまま焼いてしま…

GENOM SCREAMS-SPECIAL THANXX RMX-が出来るまで 1st

正拳突き、パリングからの正拳突き、フック、アッパー、回し蹴りから蹴り上げ、肘。 相手の攻撃を受け流しつつ関節を極め、固める。 不用意な拳をそのまま引き、重心移動を利用して投げる。 鳩尾に蹴り、膝。 間合いを一気に詰めて、そのまま顎に一撃。その…

『電線綱渡り』

半月に掴まって 星と自由に戯れながら 逆さま重力を ピアノ線で再現してみた 電灯を全て割るのと 電線を一ヶ所切るのと どちらが真っ暗になるのが 早いかななんて お茶目を考えて浮遊 らんららんららん 落ちたら空へ らんららんららん 落ちたら空へゴー 火消…

HELL SCAPER-LAST ESCAPE REMIX-が出来るまで count 3

「………成る程な」 このアクが強い男が二人と女が一人。それの創造主が私を描き直すわけか。 「――と同時に、俺とメンメルはGUHROOVY家の一員でもある。そっちとは客人の親父さんも親交が深ぇだろ?」 「……そうだ」 父上――L.E.D.と鎌鼬が口にしたGUHROOVY氏、こ…

作者スランプ中

なので更新はもう少しお待ちを〜orz

『羽根付き靴で空を駆る幻想』

夢が夢であるように 羽根付きの靴で星空を駆る 重力なんて意味の無い ふわふわ雲に捕まって ゆらりゆらりと浮かんでいよう 月の欠片を取ったなら そのまま地面に投げつけて きっと誰かが拾ってくれる きっと誰かが探してくれる 背中に羽根が生えること 頭に…

disastar

ゴシック調の色彩が 世界を覆っていくように 切り絵にも似た風景が 今いる場所を変えていく 破り捨てようと伸ばしたものは 十三回も切り刻まれて 地も肉も骨も分からぬままに 地面の供物となり果てた 拒絶をしたのはどちらから? 目の無い人形(ドール)はケタ…

のんたいとる

誰かを犠牲にしてまで 生きたいとは思わないけど 誰かを犠牲にせずには 僕らは生きられない

ハルマゲドン大合唱

外宣車 凱旋者 何に勝ち帰ってきたのか 体験談 再見参 何も無しに言ってきたのだ 自己宣伝 時効宣言 もう悔やみ続けては 死闘前提 苦闘前提 その心にすら舌を出す あの日ここにいた君と この日ここにいた君と その日ここにいる君の ハルマゲドン大合唱 晴れ…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 後書き座談会

TajamaxImum!!! ようやく……ようやく終わった……orz まさかこんなに長くなるとは……。 「過去最大分量だもんね〜☆★」 を、魔美、おひさ。 「はろ〜☆★」 台詞に星二つつけんな。つーかお前がその台詞言うときは大体――。 「は〜い、予想通りダブルスター所持して…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 13

「………」 (でも、『誰かを助けたい』って、誤解されやすい感情なんですよね。裏があるんじゃないかとか、所詮は事故満足でしかないとか。損か特か。でもそう考えてしまうのも仕方がないと思うんです。人間とは、そういう生き物なんですから) 「………プルミーユ…

『little wings』

もう君は飛べるんだろう? 嘲笑う声が頭に響く 半人前の烙印を 今日も誰かは押し付けるんだ 未来を目指して進むこと 当たり前だと嘯いて 背中にあった黒歴史 今日もみんなで捨てていくんだ 可能性の種を 下らない塵として 完成品しか必要ない 世界に生まれた…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 12

直後、私達の体を光が包み込んで――! ―――――――――――――― ぐじゅり、がりゅ、ざゅ 城の地下、響き渡るのは何かを食らう音。 がしゅ、めき、ぶち 繊維が寸断され、それすらも飲み込まれていく。スクラップを精錬した筈の強化装甲が、牙に貫かれ、壊され、喰われて…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 11

「――!?」 私は驚くしかなかった。まさか――こんなところで会うなんて――いや、この場所に彼が来ていたなんて――!? プルミーユも、同じような目線で彼を見つめている。どうして、と彼女に問うより先に、黒い騎士は大声で私達に叫んだ! 「姫様!この場は私、カイ…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 10

一息で言い終えた後、NAOKI氏は地図の一点を指差す。 「この場所を目指して欲しい。そこに行けば、己が何をすべきか分かる。後戻りはしないで欲しい。後戻りをすれば、全てが水の泡と消えてしまう」 「ルートはどのように?」 指し示された場所へは、いくら…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 9

ミサンガを四人に配り終えたNAOKI氏は、そのまま一呼吸置いて――本題に入った。 「それで、具体的に何をするかなんだけど――」 ―――――――――――――― 「――あの時、私は国民に向けてこう告げました。 『命の有る限り、語り継いでください。私たちが恐れなければならな…

Sorrows

『Away in AM2:00』 閉めきれない蛇口から滴る 水の音で目を醒ました 波紋はどこまでも広がるばかり そして戻ることはない 鎮まったとき その場所には何もないから 誰も聞かない時を告げる 鐘が重々しく鳴る 静まった町に響く 歪さを重ねたレゾナンス 底を覗…

Tangerine Stream -the catastrophe-が出来るまで 8

こいつはうまく精神の住み分けが出来そうだ、俺の見込みは、次のTearsの行動で証明された。 「……プルミーユ様……」 この行為の一部始終を見ていたプルミーユの元へ近付くジョシュア。纏う姿は変わったが、纏う霊的な気配から、プルミーユは目の前のTearsがジ…